鹿革について

ディアスキン(鹿革)は、“レザーのカシミア”といわれるほどレザーの中でも最高級な素材です。
柔らかくしなやかな感触は、鹿革独特の結合繊維によるものです。

鹿革の柔らかな肌触りは人肌に最も近いといわれ、使い込むほど手になじみ、
牛革よりも軽く、水・摩擦に強く、通気性があり、何年経っても劣化しにくい素材です。
正倉院西宝庫に現存している鹿革で作られた日本最古の足袋がそれを証明しています。

 

history

The deerskin has very long history and it has been used for 1300 years in Japan. In the evidence, there are some treasures used deerskins in Shoso-in, Todai-ji Temple. Surprisingly, most of them still have its flexibility.

Our company was established in 1883. We specialize in producing deerskin with more than 135 years of experience. In the beginning of the business, we stocked untreated domestic deerskins, tanned to white skins and sold for “Tattuke.” (Knickers bockers) As the company progressed, we imported rich deerskins from overseas to obtain abundant raw materials.While Kendo was added in the junior high school curriculum and became popular sports, the use of automobiles had spread in Japan. The deerskins were used for making protectors of Kendo and general martial arts, and also used as wipers of automobile windows (Chamois leather). As armaments prospered, the uses of the deerskin increased more and more. They were used for pilot clothes, airplane’s gasoline filters and so on. We have produced deerskin materials which are suitable for the needs of the time.

Now, our deerskins are used for apparel in general, shoes, bags, furniture, sports goods, high-quality cloth, car supplies, Buddhist alter fittings, Kendo protectors, Martial arts protectors, Japanese archery items, musical instrument utensils, and any other use. Furthermore, we always seek for new fields in market.We have a goal to develop in new fields making use of deerskin’s characteristics and variety. We focus on research and development of Ecology tanning leather and tanning techniques which can deal with environmental problems. At the same time, we devote our energies to aiming further quality improvements of existing commodities.

鞣し

「鞣し」なめしとは、皮を革にすることで、皮が腐らないように作業を施すことです。「革」と「柔らかい」という字の組み合わせのとおり、なめすことで皮が柔らかくなり、腐らずに優れた性質をもつことができるようになります。この「鞣し」の方法にはいくつか種類があり、その方法によって風合いや性質が異なります。

鞣しの種類

クロム鞣し

現在最も多い鞣しの技法です。主剤として、塩基性硫酸クロム塩という物質と皮を科学的に結合させることで鞣します。植物タンニン鞣しに比べ、コスト・時間共に軽減されるため、量産性に富んだ革と言われています。

植物タンニン鞣し

古くから用いられている鞣しの技法で、皮の中にあるアミノ基という成分と、植物に含まれている渋(タンニン)が結合されて鞣される技法です。 一般的には、「ベジタブルタンニン」「ヌメ革」「渋革」と呼ばれています。

その他の鞣し

植物タンニン鞣しとクロム鞣しの長所を活かしたコンビネーション鞣し(混合なめし)、ジルコニウム鞣し、アルミニウム鞣し、ホルマリン鞣し、ミョウバン鞣し、油鞣しなどがあります。

鞣しの違いによる特徴

クロム鞣し

クロム鞣しは、軽く、柔らかく、伸縮性が高く、タンニン鞣しよりも水に強いのが特徴です。
そのため、衣料品や柔らかい曲線を表現をしたい商品に適していると言えます。
また、タンニンなめし革よりも短時間で鞣すことができる上に、優れた伸縮性、耐熱性によりタンニン鞣しよりも引き裂きに強いという特徴を併持っています。

発色がよく、変色しにくいという特徴を持ち、タンニン鞣しよりも吟面に光沢感があり、吸い付くようなしっとりとした質感です。しかし、燃やした際に有害物質を発生させる場合があるため、処分の際には注意が必要です。

タンニン鞣し

ベジタブルタンニン鞣しとも呼ばれ、使い込むほど革本来の独特の風合いが增し、特に染色していないヌメ革では経年変化を比較的に早く楽しむことができます。これはタンニン鞣しの方が紫外線に反応しやすく、油分を吸収しやすいために、摩擦や日焼けにより濃い色に変化していくためです。
また、クロム鞣しより、硬くて丈夫、コシ・ハリがあり、型崩れしにくいという特徴があります。

発色はクロム鞣しよりも渋めになる傾向があり、最初はクロム鞣よりも吟面は少しマットな光沢、しっかりした感触がありますが、経年変化後の光沢感はクロム鞣しよりも出る場合があります。

サイズと風合いの違い

鹿の種類と技法により、染色とは異なる風合いが表現できます。

鹿革

■ディアスキン

キメが細かくしっとりとした柔らかい肌触りは、他の動物の革ではだせない鹿革独特のものです。一頭あたりのサイズは厚み2.0mm前後、100~150デシ前後になります。
鞣し・色・厚み・加工により無限の表現か可能です。

ディアスキン

エルク革

■フィンランドエルク

普通の鹿よりも体長の大きいフィンランドのヘラ鹿です。一頭あたりのサイズは厚み5mm前後、260~300デシ前後になります。
ディアスキンよりもが野性味のある傷やシボが多く、見た目、質感共に野性的な風合いの革です。

フィンランドエルク

燻革

■スモーク、ふすべ

煙りで燻す技法により、スモーク色が付き、独特の香ばしい香りと雰囲気があります。また、香りは経年により薄くなりますが、防虫効果があると言われています。
吟付きのスモークとヌバックのスモークがあります。

スモーク革